ライブ会場としてもよく使われる「ホール」。
全国のほとんどの自治体にあるメジャーな建物で、トータルで約2,000施設ある。
2,000施設も作った人達、すごいな。
ここで疑問が浮かぶ。
全部同じデザインじゃダメなの?その方が設計から建築まで効率的じゃん。
という事で調べてみました。
同じにする事で得られるメリット
家を建てる時、1つの方法として決められたデザインの家を建てる方法があります。
そうする事で設計は1回で済み、部材(柱、壁、サッシ等)が全部の家で同じなので量産できて費用が安くなります。
座席数1,000席以上のホールを建てには約100億円も掛かるらしいので(!?)同じデザインにして安く建てられるのはいいことだと思います。
では、なぜそうなってないのか。
できない理由がありました。
ホールのデザインが違う理由
いい音を響かせる
ホールが最優先するのは「音」。
ライブ以外にもクラシック音楽のコンサートもあります。
クラシックは楽器の生音をホール全体に響かせる為、反射の計算、残響時間の計算をする必要があるそうです。
だったらなおさら同じ形に行き着くのでは?
そう思いましたが、そんな簡単ではないそうです。
- 立地によって外からの騒音や振動が変わる
- 座席数によって広さが変わる
- 何の音楽を優先するかによって残響時間と反響量が変わる(クラシックなら残響時間2秒、反射量多め/ポップス・ロックライブなら残響時間1秒、反射量少なめ)
こういった理由で、個別に形状設計をしているようです。すごいな!
敷地の制約
日本の土地は狭いです。
公共施設であるホールにも、建てるとなると制約がいっぱい。
建ぺい率(土地の大きさに対して建物の大きさは何%まで、という制約)によって広さが取れない、とか。
隣接する道路の幅によってツアートラックの搬入口は決められます。
地盤の硬さによって必要な耐震設計も変わってきます。
設計士さんは、パズルを組むように、地図とにらめっこして、ホール、楽屋、搬入口等の位置を決めています。
出すんだ!個性
ホールには、建てるからには地域の活性化や「まちのシンボル」という目的も求められます(大変だな)。
住民が愛着を持てるように、地域の素材を使い、文化を取り入れたデザインが求められます。建築家にとっても自分の力の見せ所、実績作りになります。
また、建築デザインにも時代の流行もあります。法改正への対応もあって同じ設計にはならないそうです。
音楽家からの日本のホールへの評価
日本のホールへの評価は極めて高く、1986年に東京に建てられたサントリーホールに対して世界的な指揮者であるヘルベルト・フォン・カラヤンは「音響の宝石箱だ」と評価したそうです。
また、来日する数々のオーケストラ隊からも日本のホール音響の精度の高さは評価されているようです。

なんだか「日本のものづくりはすごい」系のお話になりましたね。
実際すごかった。勉強になりました。
これからホールに訪れるみなさん、今回の記事を参考にホールの回りを歩いたり、図面を眺めたり、楽しんでください!避難経路の確認も忘れずに!
コメント